高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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教育講演
失語症に対する経頭蓋磁気刺激療法~自験例から
安保 雅博
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2017 年 37 巻 2 号 p. 157-163

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抄録

  脳卒中後遺症には, いろいろな障害を呈するが, 我々は, 反復性経頭蓋磁気刺激 (rTMS) と集中的リハビリテーションを世界で初めて治療として系統化して施行している。脳卒中後の上肢麻痺に対する低頻度 rTMS と集中的作業療法の併用療法を[NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive Occupational Therapy: NEURO(R)], 失語症や高次脳機能障害に対する rTMS と集中的リハビリテーションの併用療法を[NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive One-to-one Training: NEURO(R)]と命名している。脳卒中後上肢麻痺患者に対して安全に施行可能であり, 高い feasibility をもって麻痺側上肢運動機能を有意に改善させ, そのメカニズムについても多くの報告をしている。失語症の場合は, Functional MRI-Based Therapeutic rTMS Strategy が非常に重要で, 脳機能的画像 (fMRI) のデータと事前の失語症検査に基づいて磁気刺激施行部位を 4 ヵ所に振り分けて対応している。薬物療法や繰り返し磁気刺激法などを用い, 精度を高めている。

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© 2017 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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