高次脳機能障害者の地域相談支援においては, 多様な相談主訴が聞かれる。そこで相談主訴およびその年齢, 罹病期間, 相談者ごとの相違について検討し, 地域相談支援に求められる課題を考察した。対象は A 市身体障害者更生相談所に継続相談した高次脳機能障害事例 75 名とした。手続きとしては, 相談主訴を 7 つに分類した上で, 年齢, 罹病期間, 相談者の各カテゴリーごとに内訳を算出した。結果, 総計では高次脳機能障害の対応に関する「専門的対応」が最も多かった。当事者が若年の場合は, 就労・就学支援に関する「ステップアップ」, 罹病期間が 10 年以上の場合は「医療介入・診断」, また家族が相談者の場合には「家族支援」が多くみられた。支援拠点機関には, 専門的対応や就労・就学のノウハウが求められ, 長期経過者の支援ニーズの掘り起こしや家族支援も重要であることが示唆された。またこのような課題のために専門機関間の連携が望まれる。