2019 年 39 巻 2 号 p. 196-201
遂行機能障害は生活に直結する障害である。脳内ネットワークから考えると, 体内環境と外部環境の情報処理の仕組みが関係した障害で, 傍辺縁領域と様式横断性 (高次) 連合野の障害として捉えることができる。行動の特徴から考えると, 意志のある目標設定, 計画立案, 計画の実行, 効果的な行為が困難で, 環境や役割など社会的な要因によって変化する相対的な障害である。生活に結びついた遂行機能障害のリハビリテーションには, 具体的で適切な目標を設定すること, 対象者自身と共有できる評価尺度を持つこと, 十分な時間をかけて取り組むことが不可欠である。遂行機能障害者は認知機能や知識は保たれ, 巧みな言葉も使うことができる一方で, 効果的な作業の遂行が困難である。そのために社会から孤立した存在になりやすい。孤立を防ぎ, 安心して生活できる環境を作るためにも, 生活を中心に据えたリハビリテーションが必要である。