高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
脳損傷者における感情表出の損傷半球別検討─表情分析と心理・行動特徴の関連性─
小浜 尚也種村 純
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2019 年 39 巻 2 号 p. 229-236

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抄録

  右半球損傷者 38 例, 左半球損傷者 34 例, 両側半球損傷者 12 例を対象に損傷半球別の表情の特徴と質問紙評価・行動評価との関連性を検討した。表情の評価に Facial Expression Coding System (FACES) , 意欲と精神状態の評価に Apathy Evaluation Scale 介護者評価の日本語版 (AES-I-J) , 標準意欲評価法 (CAS) の日常生活行動の意欲評価スケール, Neuropsychiatric Inventory (NPI) を用いた。右半球損傷者は他の半球損傷例に比し有意に意欲・発動性の低下を示した。FACES の各表情と AES-I-J, CAS, NPI の関連性を検討した。FACES の悲しみ表情と NPI のうつ, FACES の幸福表情と NPI の多幸, FACES の無関心表情と AES-I-J の総得点, CAS の総得点, NPI の無関心の各項目で 0.7 以上の高い正の相関関係が認められた。FACES により右半球損傷者には驚き, 幸福, 無関心の表情, 左半球損傷者には悲しみの表情が多くみられ, 両側半球損傷者は特徴的な表情を示さなかった。右半球損傷者はポジティブおよび中立な感情価, 左半球損傷者はネガティブな感情価の表情を呈することを示唆した。

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© 2019 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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