高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
脳卒中ドライバーのスクリーニング評価日本版 (J-SDSA) における成績特性─健常若年者を対象とした研究─
勝浦 駿平太田 久晶
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2019 年 39 巻 2 号 p. 251-258

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抄録

  自動車の運転技能評価に特化した認知機能検査の 1 つとして, 2015 年, 脳卒中ドライバーのスクリーニング評価日本版 (J-SDSA) が開発された。しかし, これまでのところ日本の自動車運転免許保有者の成績特性は明らかにされていない。そこで本研究では, 日本の自動車運転免許を保有する 20 歳から 35 歳までの健常若年者 80 名を対象として, 本課題成績の特徴について検討した。その結果, 対象者は J-SDSA の多くの下位検査で高得点を獲得でき, それによって全被験者が「運転合格」の判定となった。一方で, 各下位検査の所要時間にはばらつきが生じることや, 他の下位検査に比して正答率の低い項目が含まれていることが示された。また, 各下位検査の結果は, 視覚性認知機能を反映する神経心理学的検査の結果と関連することも明らかとなった。加えて, 被験者の運転経験の程度は, J-SDSA のいくつかの下位検査成績に影響を与えることが示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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