背景:学齢期の後天性脳損傷による記憶障害は復学後の学習を困難にするため,その特徴に基づく個別的支援が重要だが,標準化された言語性記憶の評価法はない。方法:ReyのAuditory Verbal Learning Testを参考に学齢期用聴覚性言語学習検査(AVLT-JSC)を2セット作成し,定型発達児25名(低年齢群:15名,6~8歳,高年齢群:10名,9~12歳)を対象に予備調査を行った。結果:2セット間の正再生語数,再認語数に差はなく,刺激等価性が確認された。各年齢群で学習効果を認め,床効果・天井効果は認めなかった。高年齢群の正再生語数は低年齢群に比べセット2の即時再生語数を除いて有意に多かった。記銘方略の使用は低年齢群に比べ高年齢群の割合が多く,高年齢群の効果的な記銘方略を使用する脳機能の発達を反映することが示唆された。考察:AVLT-JSCは学齢期の言語性記憶の評価に有用である。