2016 年 2016 巻 26 号 p. 190-192
【目的】骨格筋内脂肪は,様々な健康障害に関与することがわかっている.しかし,運動習慣のない若年女性を対象とした研究は少ない.そこで本研究では,運動習慣のない若年女性の骨格筋細胞内脂肪(Intramyocellular lipids:IMCL)および骨格筋細胞外脂肪(Extramyocellular lipids:EMCL)の分布に関する検討を行った.【方法】健常若年女性16名(年齢:21.0 ± 0.6歳)を対象とした. 測定項目は,1H-MRS法による下腿部前脛骨筋(TA),ヒラメ筋(SOL),腓腹筋(MG)のIMCLおよびEMCL,インピーダンス法による体組成測定とした.【結果および考察】IMCLでは,TAとMGに比べSOLに多く蓄積が認められた(p<0.01).またEMCLは,TAに比べSOLとMGに多く蓄積が認められた(SOL vs. TA:p<0.05,MG vs. TA:p<0.01).既報で示された分布とほぼ一致した結果が得られたことから,運動習慣のない若年女性において,骨格筋内脂肪の蓄積が認められたことが示唆された.