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人間生活文化研究
Vol. 2017 (2017) No. 27 p. 39-46

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http://doi.org/10.9748/hcs.2017.39

原著論文

本研究は,ボクシングエクササイズ(BE)とヨガエクササイズ(YE)の実施が気分(POMS)に対してどのような急性の心理的影響をもたらすかを明らかにすることを目的として実施した.対象者は,T市立体育館のフィットネスプログラムであるBEプログラムもしくはYEを取り入れたプログラムのいずれかの教室に自主的に参加している中年女性40名(各プログラム20名)であった.両教室ともに各運動プログラムを60分間実施した.対象者の気分については,1回の教室の運動実施の前後において,短縮版のProfile of Mood States(POMS)を用いて評価を行った.すなわち,各運動プログラムの気分に対する急性の影響については,POMSの(「緊張-不安」「抑うつ-落ち込み」「敵意」「活気」「疲労」「混乱」)6つの各下位尺度の運動前後の値についてWilcoxon検定による群内比較を行った.群間の気分の変化の違いについては,各下位尺度について,運動前から運動後の変化量を目的変数,各運動プログラム群を説明変数,運動前の値,年齢,BMIを共変量とした共分散分析を行った.その結果,BE群の運動前後の気分については,「緊張-不安」,「抑うつ-落ち込み」の下位尺度において有意なポジティブな変化が認められたが,その他の項目には有意差を認めなかった.一方,YE群の運動前後の気分については,「緊張-不安」,「抑うつ-落ち込み」,「怒り-敵意」,「活気」,「混乱」において有意なポジティブな変化が認められた.また,BE群とYE群の気分の変化の違いについて検討した結果,「怒り-敵意」のみに有意な差が認められ,BE群でネガティブな変化であったのに対して,YE群ではポジティブな変化が認められた.以上のことから,運動様式(動的,静的)の異なる2つの運動プログラムは共に中年女性の気分に急性の変化をもたらすが,その変化の内容は運動強度や運動様式により異なることが示唆された.

Copyright © 2017 大妻女子大学人間生活文化研究所

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