本研究では,身体部位の不満足感と食行動異常(極端なダイエット行動や,摂食障害の臨床的特徴と類似する食行動)との関連性について検討することを目的とした.まず,対象者のBMI(Body Mass Index)を算出した.痩せ体型および普通体型が大半を占めることが確認された.こうした中,痩せ体型の内50%,普通体型の内89.47%で痩せ願望を有することが確認された.また,「手や腕」に対する不満足感や「太もも・脚」に対する不満足感が,ダイエット行動に関連することが示された.加えて,「手・腕」に対する不満足感および「臀部」に対する不満足感が過食や肥満恐怖と関連することが示された.以上の結果から,「手や腕」の不満足感および「臀部」に対する不満足感が神経性過食症の特徴の発現・維持要因となる可能性が推測できる.