2021 年 10 巻 3 号 p. 124-128
近年,骨髄非破壊的移植の開発により,高齢患者の移植が増加している。2事例の高齢患者の看護を振り返り,今後の課題について検討した。その結果,高齢患者が移植を受ける際は,患者の価値観や希望を尊重しつつ様々なリスクを予測したうえで,多職種の医療チームにより移植適応の可否を適正に評価する必要があり,看護師は患者や家族の理解度を把握した上で意思決定支援を行っていかなければならないことが明らかとなった。今後は,看護師は移植前から多職種との連携や調整におけるリーダーシップをとり,患者や家族の価値観や希望を医療チームで支えていく体制を整える必要がある。