高橋らは、コムギ品種ハルユタカの乾物分配動向を解析し、コムギの登熟期間は、稈伸長停止期、乳熟期および光合成停止期を変換点として四つの相に分かれていること(日作紀62:564-564,1993)、および葉身と穂における可溶性糖分の日中増加量と光合成能力との間には高い正の相関関係があること(日作紀63:75-80,1994)を報告している。そこで、本研究では、稈長および早晩性の異なる3品種を供試し、登熟期における各器官の乾物重および可溶性糖分の日中増加量を調査し、登熟相ならびに子実生産特性の品種間差異について検討を行った。