バレイショ塊茎は曝光により緑化し、食用に供すると異臭とエグ味を呈する。エグ味はα-ソラニンとα-チャコニンとして知られるグリコアルカロイド(GA)の生成による。このGA成分は収穫直後の塊茎皮層部にもすでに微量含まれており、10℃以上の貯蔵と光に曝される刺激により増加する。健全塊茎のGA含量はほとんど問題にならないが、10mg/100FWBを越えると調理品の風味を著しく損ない、中毒の原因物質となる。従来は塊茎の緑化程度を指標としてGA含量の多少を判断してきた。しかし、曝光による塊茎の緑化程度とGA含量とは直接の関係がないことを本会報34号(1993)で報告した。今回は、いくつかの交配組み合わせを用いて、後代系統のGA含量を調査した結果を報告する。