抄録
本研究の目的は施設で暮らす定住外国人高齢者に関わった介護職におけるEnd of life Care,
以下「EOLC」)の実態とその要因分析である。介護職に質問紙にてEOLCの困難さの実態を
χ2検定,要因分析は質的研究にてカテゴリー化した。その結果,「言葉の壁」で困難さを感
じ(p=007),「家族の関係性」でかかわりがない介護職は困難さを感じていた(p=023)。 ま た ,
EOLCに関する要因は,【多言語コミュニケーション力の弱さ】,【ニーズを達成するためのケア】,
【多様な文化を理解しようとする態度】の3つのカテゴリーが抽出された。本研究によって介
護職員のEOLCは言葉の壁と家族の関係性に困難さを感じていた。要因は多言語コミュニケー
ション力の弱さを感じつつ,穏やかな療養生活が営めるように多様な文化を理解しようと努め,
定住外国人高齢者のニーズを達成しようと寄り添うケアを意識していることが示唆された。
キーワード:定住外国人高齢者,EOLC,介護職員