2022 年 25 巻 1 号 p. 28-33
【背景】90歳以上と85歳以上89歳までの高齢者に対する経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の現状と予後について比較した。
【方法】2003年から2020年までに静和記念病院にてPEGを実施した177例のうち90歳以上の高齢者(A群)と85歳以上89歳までの高齢者(B群)に分類し、性別、主要疾患、栄養手段、栄養状態、30日以内死亡率、全死亡率、生存率及び死亡原因について後方視的に比較検討した。
【結果】両群間で有意差を認めたのは、年齢(p<0.0001)、血清アルブミン(p=0.0104)、平均生存率(p=0.0162)であり、85歳以上の高齢者の死亡原因で最も多かったのは、肺炎であった。
【結論】90歳以上の高齢者のPEG後の生存期間は短く、生存延長のために肺炎の予防が大切と考えられる。