2022 年 25 巻 1 号 p. 22-27
【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)の長期予後およびそれに関連する因子についてあまり検討されていないので、それらを検討することを目的とした。
【方法】当院にて2007年4月から2014年3月までに施行された経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)256例を対象とした。それぞれの症例について年齢、性別、疾患、BMI、血清アルブミン値、リンパ球数、総コレステロール値、血清コリンエステラーゼ値、ヘモグロビン値、CRPおよび予後を調査した。また、予後についてどのような因子が関連するか検討した。
【成績】全症例の1、3、5年生存率はそれぞれ63.5%、46.7%、39.1%であった。単変量解析にて予後に関連する因子は年齢、性別、疾患、血清アルブミン値、リンパ球数、血清コリンエステラーゼ値、CRPであった。多変量解析にて、脳血管疾患、神経疾患、年齢が独立予後因子であることが示された(p<0.001, p<0.01, p=0.041)。
【結論】年齢が低く、脳血管疾患、神経疾患であれば長期予後が見込める可能性が示唆された。