2025 年 28 巻 1 号 p. 52-59
筆者は2018年(平成30年)西日本豪雨災害の土砂災害に遭遇し、現地の災害担当として指揮にあたった。その経験から、事態の経緯と作業分掌をまとめ、さらに住民の健康管理に関してアンケート調査を実施し、これをまとめた。その結果、そうした状況下では、NST活動で培った「多職種による栄養評価、栄養管理計画、実施、再計画」のコンセプトを用いた「被害の評価、健康および居住環境整備の計画、実施、再計画」の流れを作れたことが非常に有用であることが分かった。災害下では情報の共有と方針の一本化、住民の持つ専門性を共有することが必要である。