2025 年 28 巻 1 号 p. 60-62
自然災害発生時、変化しつづける状況の中で医療従事者の使命は、生きていることから、生きていく生活行動への支援に移行する。生活を支援する視点から考え行動する看護活動において、人間の基本的欲求である食と排泄に焦点をあてた。
避難所は特殊な非日常の環境であり、栄養管理には、災害時ならではの課題が発生する。この時の、栄養の補給・支援活動は被災者にとって目には見えない安心となる。その安心の形は人それぞれであることを根底に最適な食環境を整える看護師の工夫を述べる。
次に健康を維持する栄養管理に欠かせない、プライベートでとても繊細な、排泄を考える。排泄支援にはどのような看護の創意工夫と知恵で適正な排泄環境を整えることができるのか。被災者にとっての必要な本人の気持ちに応えられるのかを考えた看護実践での姿勢と行動を報告する。
生きていく生活環境支援にとって、今なすべき看護判断は、明確な問題意識と人への関心だと考える。