人文地理学会大会 研究発表要旨
2003年 人文地理学会大会 研究発表要旨
セッションID: 509
会議情報
外資系アパレル・ブランド企業の小売店舗の展開
*青山 周平
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日本経済の低成長が続くなかで、外資系アパレル・ブランド企業を主導とする、ブランド・ビジネスの影響力は市場で増大し、特に1990年代後半以降、主要外資系アパレル・ブランド企業は売上げを伸ばし急成長を記録している。 本発表では、これまであまり研究対象にならなかった、外資系アパレル・ブランド企業の小売店舗の展開とその過程を記述する。 外資系アパレル・ブランド企業は、その大半が欧州アパレル・ブランド企業の日本現地法人である。欧州アパレル・ブランド企業の日本現地法人設立による本格的な進出は1980年代以降である。本発表では外資系アパレル・ブランド企業Louis Vuitton Japan社を事例にあげて考察を進める。外資系アパレル・ブランド企業の小売店舗の展開は、進出の形態、進出の時期、商品の性格、進出後の業績から直接的な影響を受ける。そのため、外資系アパレル・ブランド企業の各社は、様々な小売店舗の展開段階にある。外資系アパレル・ブランド企業の小売店舗の全国的な展開は、主に中心商業地に立地する百貨店への出店を中心に行われてきている。現在は、小売店舗の展開の過程を3つの過程に別けることができる。 1.日本国内における小売店舗の展開の初期において、東京を中心とした全国的な展開として大都市圏の中心都市と広域中心都市の中心商業地の百貨店に展開する。 2.そして次に広域中心都市から低次の地方都市への展開し、同時に地域的な展開として大都市圏などの地域内で未進出の中心性の高い都市や商業地へと展開する。 3.全国的に、小売店舗網の充実が図られると、その初期に店舗を展開した大都市圏の中心都市と広域中心都市に中心商業地に直営路面店舗などの旗艦店を展開する。全国的な展開で東京を中心とした一極集中の店舗網から、各地域の旗艦店を中心とした多極的な店舗網へ再構築される。 現在、以上のことが考察から明らかになっている。

著者関連情報
© 2003 人文地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top