抄録
本研究は、日本の全市区町村を対象に公共交通機関へのアクセシビリティ(近接性・利用可能性)を試算したものである。2005年国勢調査での町丁目別人口に、土地利用メッシュデータ、駅・バス停の位置と運行本数を組み合わせ、5段階の公共交通アクセシビリティランク別に居住人口割合を算出した。その結果、638市区町村においてアクセシビリティが最も低いランク1の地域に居住する人口割合が100%となった一方、最も高いランク5の地域に居住する人口割合が10%以上の市区町村は203都市あった。さらにデータと算出手法を改善することで、コンパクトシティなど公共交通の役割を重視する政策の定量的評価に資すると考える。