比較生理生化学
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総説
味細胞の受容機構におけるNO-cGMP系 : クロキンバエを材料として
村田 芳博後藤 信太郎中村 整
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2006 年 23 巻 2 号 p. 2_3-2_10

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抄録
われわれの研究グループではこの数年, クロキンバエ (Phormia regina) を材料に, 味細胞の受容機構の解明に取り組んできた。その過程において, 糖受容を担う味細胞 (糖受容細胞) の受容機構に一酸化窒素 (NO) が関与することを見出した。これは一般によく知られているNOの作動様式とは異なり, 味細胞で合成されたNOをその味細胞自身がセカンドメッセンジャーとして利用する仕組みであることを示唆している。クロキンバエの糖受容細胞ではcGMPがセカンドメッセンジャーとして機能することが従来から示唆されており, NOはcGMPと一連の反応経路を形成して機能している可能性がある。本稿では, われわれがこれまでに得たデータから, NO-cGMP系が糖受容細胞の受容機構に関与する可能性とその役割を考察する。
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© 2006 日本比較生理生化学会
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