植生史研究
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Print ISSN : 0915-003X
集団遺伝学知見から考えられるわが国の針葉樹の分布変遷
津村 義彦
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ジャーナル オープンアクセス

2001 年 10 巻 1 号 p. 3-16

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抄録
多くの針葉樹でアロザイム分析を用いて種内の遺伝的多様性および集団分化の研究が行われてきた。その後,DNAレベルでも調査が始められ,オルガネラDNA の変異を利用して集団の系統関係も報告されるようになってきた。これらのデータから過去における祖先集団がどこに存在し,気候変動とともにどの様な経路で分布拡大し変遷していったかをある程度推定することが可能である。わが国では主にアロザイム分析を用いて10種程度の針葉樹について遺伝的多様性および集団分化の研究が行われている。分布変遷を明瞭に見ることができるのは遺伝変異性に地理的勾配ができている場合である。ハイマツや,クロマツ,ウラジロモミ,モミ,ヒノキでは遺伝変異に明瞭な地理的勾配が見られるため,これらの分布変遷について議論する。また地理的な勾配ができる要因を考察し,DNAの解析技術やゲノム研究の進展にともなった針葉樹の分布変遷研究の将来展望についても述べる。
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© 2001 日本植生史学会

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