抄録
本研究は、第1回から第6回までの日本土木史研究発表会論文を対象に土木史研究データベースを構築し、これまでの土木史研究の傾向と特徴を分析したものである。データベースの構築にあたっては、表題・発表者・キーワード・発表年次など一般的事項に加えて各論文の概要全文を収録している。さらに研究分野、対象となった時代、地域、登場人物も加え土木史研究の総合的なデータベースとした。これによって我々は、これまでの土木史研究を時間・空間・人間の視点から眺めることが可能となった。
土木史研究データベースにおいて採用したリレーショナルデータベースは、その強力なデータベース処理機能にも関わらずパーソナルコンピュータで稼働し、個人レベルで本格的なデータベースを構築することを可能としている, 本研究においては、まったく任意の用語から必要な論文を検索できることを示したばかりでなく、これまで発表された論文の分野別論文数、研究対象年代、さらに研究で取り上げられた人物の分析に関してその機能を十全に発揮した。
本研究発表会の歴史は浅く、現時点では十分に発表論文の傾向と特徴を見いだすことはできないが、データベースの蓄積によって、今後はより総合的な視野から一層の土木史研究の体系化を推し進めることが可能となる。本文では今後の土木史研究発表会のあり方についても言及した。