HISPANICA / HISPÁNICA
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論文
dijo que に従属する単純完了過去について
辻井 宗明
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2018 年 2018 巻 62 号 p. 1-25

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抄録

dijo que における前時を表す時制形式は直説法過去完了形 (<había cantado>)が一般的であるが、単純完了過去( <cantó>) も使われる。さて、同用法における両形式の差は何か。単純完了過去が主動詞dijo に対してもつ時間関係、及びその意味機能、そして関係付けられる基準時は何かについて、<había cantado>と比較しながらスペインにおける現代スペイン語の統計的調査と例文の解釈、及び母語話者によるアンケートにより明らかにしたい。また、どうして過去領域の名詞従属節dijo que に前時形式が2 つも存在するのか、綜合的形態から分析的形態への変遷の過渡期である中世まで遡って通時的に観察し、ここでも統計的調査と例文の解釈を通して、その要因を探ってみたい。

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© 2018, Asociación Japonesa de Hispanistas
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