人と自然
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ゴメラ島(カナリア諸島) の照葉樹林
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2006 年 16 巻 p. 9-20

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抄録
ユネスコの世界遺産として登録されているゴメラ島(カナリア諸島) のガラホナイ国立公園には常緑広葉 樹林(カナリアンローレル林) が広がっている. 本樹林はLaurus azorfca( カナリアンローレル, カナリーゲッケイジュ),Persea mdfca,  Myrfca招ya, 門ccollfa excelsaなどによって構成され,当地では1aurisilvaと呼ばれている. 本樹林と国内のシイーカシータブ林との相観上の比較を行った. 高木層の優占種であるLa urus azorfcaおよびPersea fndlcaの葉形や葉質は国内の常緑広葉樹のそれらと類似していた. カナリアンローレル林の林冠の発達程度は国内のシイーカシータブ林に比較して多少低かったが, 外観については両者に大きな差は認められなかった. 大西洋上にあるアゾレス諸島, マディラ諸島, カナリア諸島のカナリアンローレル林と国内のシイーカシータブ林を同一の群系としてlaurilignosa(RUbel,1930) にまとめる見解は妥当であり, その和名および英名として, 照葉樹林(中野,1930) ,lucidophyllous forest( 今西・吉良,1953) を使用することは適切と考えられた.
© 2006 兵庫県立人と自然の博物館
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