人と自然
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16 巻
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  • 2006 年 16 巻 p. 1-7
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    An ecological study for the species composition and species richness of the secondary lucidophyllous forests in the Yaeyama Islands was carried out. As the result, five species groups (differential species) were recognized on the basis of phytosociological fidelity degree of 5, and the secondary lucidophyllous forests in the area were classified into Machilus thunbergii- Livistona chinensis Comm., Castanopsis sieboldii-Styrax japonica Comm. and Castanopsis sieboldii-Schima wallichii Comm.. The Machilus thunbergii-Livistona chinensis Comm., which was differentiated by the presence of species groups A and D, was distributed on the abandoned fields in Yonaguni Island. This community was recognized as the secondary Machilus thunbergii type forest which was distributed at the southern limit of the forest in Japan. The Castanopsis sieboldii-Styrax japonica Comm., which was differentiated by the presence of species groups B, D and E, was distributed in Yonaguni Island. The Castanopsis sieboldii-Schima wallichii Comm., which was differentiated by the presence of species groups C and E, was distributed in Iriomote Island. The mean number of total species and the mean number of lucidophyllous elements per stand in the three communities, which were indicative of species richness, ranged from 30.8 and 25.4 to 44.8 and 39.8, respectively. The species richness of the secondary lucidophyllous forests in the Yaeyama Islands was higher than the species richness of the forests in Kyushu.
  • 2006 年 16 巻 p. 9-20
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/29
    ジャーナル フリー
    ユネスコの世界遺産として登録されているゴメラ島(カナリア諸島) のガラホナイ国立公園には常緑広葉 樹林(カナリアンローレル林) が広がっている. 本樹林はLaurus azorfca( カナリアンローレル, カナリーゲッケイジュ),Persea mdfca,  Myrfca招ya, 門ccollfa excelsaなどによって構成され,当地では1aurisilvaと呼ばれている. 本樹林と国内のシイーカシータブ林との相観上の比較を行った. 高木層の優占種であるLa urus azorfcaおよびPersea fndlcaの葉形や葉質は国内の常緑広葉樹のそれらと類似していた. カナリアンローレル林の林冠の発達程度は国内のシイーカシータブ林に比較して多少低かったが, 外観については両者に大きな差は認められなかった. 大西洋上にあるアゾレス諸島, マディラ諸島, カナリア諸島のカナリアンローレル林と国内のシイーカシータブ林を同一の群系としてlaurilignosa(RUbel,1930) にまとめる見解は妥当であり, その和名および英名として, 照葉樹林(中野,1930) ,lucidophyllous forest( 今西・吉良,1953) を使用することは適切と考えられた.
  • 2006 年 16 巻 p. 21-33
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/29
    ジャーナル フリー
    神戸市におけるヒートアイランド現象実態調査のため31箇所の百葉箱にサーミスタセンサを設置し2004年7月1日~9月30日の間計測した. 測定結果は器差補正, 標高補正を行った. 熱帯夜日数は10日~60日と大きな差が見られた. 臨海市街地と六甲山北部市街地では熱帯夜日数が2.1倍と大きな差が見られた.25℃を超えた延時間数」,「超えた延時間数」指標として導入し分布図を作成した. これより夜間, 臨海部全域に高温域が形成されること, 日中, 高温域が臨海市街地の東部に偏ることが確認された. 測定期間の風向風速観測結果より, 対象地域の風は浜風(南西風・日中), 陸風(東北東風・早朝),六甲颪風(北北西風・夜間) の三種類に分類されることが分かった. 気温偏差を求め, 風向との比較を行った.浜風時, 臨海東部で昇温, 陸風時, 臨海西部で昇温と,風下側で昇温が見られた. 六甲颪風時は臨海市街地で気温の低下が見られた.
  • 2006 年 16 巻 p. 35-42
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    Petrographic properties of three tephra layers contained in the upper part of the Fukuchiyama Formation distributing along the Yura River, northern Kinki District, western Japan, were determined for the correlation with the previously known widespread tephra layers or the tephras erupted from the Daisen Volcano in the Chugoku District. Grain and heavy mineral compositions, morphology of volcanic glass shards, and refractive indexes of glass shards and orthopyroxene, hornblende and cummingtonite phenocrysts, were analyzed for this purpose. As the results, two of the tephra layers formerly named the Monobe Volcanic Ash Bed, were correlated with the Daisen Okutsu Pumice Bed (DOP) or the hpml Pumice Bed. The other tephra is a secondary deposit that mainly includes volcanic glass shards and orthopyroxene phenocrysts derived from the Aso-1 tephra. It also contains fewer glass shards and orthopyroxene phenocrysts from the Kakuto tephra and tephra layers erupted from the Daisen Volcano, respectively. From the estimated eruption ages of the DOP, hpml and Aso-1 tephra layers, an age of the deposition of the upper part of the Fukuchiyama Formation is considered to be from more less than 270 to around 190 ka.
  • 2006 年 16 巻 p. 43-49
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
     対馬における照葉樹林± 壌の埋土種子相および発芽経過を把握するため,1999年6月~2000年10月,1999 年10月~2001年4月まで, それぞれ約1年半にわたり, 実生発芽法による調査を行った. 調査の結果, ピサ カキ, クサマオ, ツルコウゾなど35科60種の種子植物の発芽を確認した. また, 埋土胞子由来と推定される ホラシノブ, ヒメワラビなど4科11種のシダ植物の発芽を確認した.埋土種子からの発芽は,まき出し後,1~2週間目から始まり,1~2ヶ月後に最も発芽確認個体数が多かった.その後, 発芽数は急減し, 冬期にはほとんど見られなかったが, 翌春になると, ピサカキ, タラノキなどの発芽が, わずかではあるが調査終了時まで続いた.
  • 2006 年 16 巻 p. 53-56
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    兵庫県南西部の西宮神社の社叢林において植栽されたクスノキの老大木(Cinnamomum camphora Presl.)に対する台風16,18号(2004年到来) による被害調査を行った. 最も顕著な被害は落枝であった. 台風によるクスノキの落枝量は1296本ha-1(198.9、kgha 1) に及んだ.落枝のサイズ頻度分布は小型のものが多い分布型を示し, 小型の枝のほうが強風により落下しやすいことが示唆された. 観察された最大の基部直径は42cm, 最長の枝長は2.4,m,最大の乾重は2.4kgであったが,調査プロット外では更に大きな枝が観察された. また, 塩害によって多くの葉が落葉した. これらの結果は台風の被害によって樹体および葉量の多くが失われたことを示しおり, 今後クスノキ老大木が衰退する恐れがある. 社叢林の林床ではクスノキが更新していないため, 林冠木が衰退すれば林相や種組成が大きく変化する恐れがある. 現在の社叢林の外観を維持するためにはクスノキの老大木樹勢を回復させるとともに, クスノキ個体群を維持する管理方法を検討する必要がある.
  • 2006 年 16 巻 p. 57-68
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    本稿では、わが国博物館の参考に供することを目的に、展示を通して効果的な環境教育・学習の場を提供 している米国博物館の事例を紹介する。博物館が来館者にとって効果的な学びの場となるために、その展示 方法にどのような工夫がなされているかを5つの館の具体例を通して考察した。  この点に関してとりわけ重要なことは、博物館が与えたい情報ではなく、観客が自ら楽しい経験を通して 学ぶことができる展示空間の創出に力点が置かれていることである。また、米国の博物館において、このよ うな展示を可能にしている条件にも言及した。それぞれの博物館においては、詳細に検討された“ミッショ ン” をもとに、各展示が“メッセージ” を持っていること、その展示制作にあたっては、キュレーター、研 究者、エデュケーター、デザイナーなどのスタッフがお互いの役割を尊重し合い、協力し合って作り上げら れていることが事例を通して確認された。  さらに、来館者の反応を確かめる展示の評価を通して、不断の展示改善の努力がなされていることを強調 した。
  • 2006 年 16 巻 p. 69-91
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    兵庫県立人と自然の博物館より委託された平成16年度自然環境調査(但馬鮮苔類相の調査研究) を実施し、2031点の鮮苔類標本を得ることができた。それらを精査した結果、セン類綱の42科110属200種4亜種9変種, タイ類綱の29科46属89種4亜種3変種, 及びッノゴケ類綱の2科3属4種を確認したので報告する。
  • 2006 年 16 巻 p. 93-98
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
     兵庫県におけるトウネズミモチ植栽地の分布位置および植栽量,土地利用形態を調査した結果,288地点で 本種の植栽が確認され,うち100個体以上植栽されている大量植栽地は73地点だった. 植栽地は兵庫県の全域 でみられたものの, 大量植栽地は瀬戸内側の阪神間に偏り, 中山間部ではほとんどみられなかった. 植栽地 の土地利用形態では, 道路の94地点, 戸建て住宅の48地点, 公園の47地点の順に多く, このうち大量植栽地では道路の27地点, 戸建て住宅の13地点, 公園の11地点, 工場緑地の10地点の順に多かった. 以上のことより, 兵庫県下ではトウネズミモチは阪神間を中心に広範囲に大量に植栽され, その多くは公共施設や工場緑地などの大規模施設の植栽であることがわかった.
  • 2006 年 16 巻 p. 99-129
    発行日: 2006年
    公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー
    本報は, 兵庫県産維管束植物の目録を分冊で出版するシリーズの第7報3) であり, ナス科からキキョウ科までを扱った.
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