抄録
2003年度の人博セミナー「植物リサーチクラブ」において,「三田市の街路樹」というテーマのもとに1年間の調査を行い,三田市の街路樹マップを作成した.その結果三田市の街路樹には落葉樹23種,常緑樹6種の計29種類の樹種が使われており,植栽率でみると落葉樹が約81%を占め,樹種別ではケヤキが約29%で最も多かった.
さらにウッディタウン地区の環状道路に植栽されている街路樹1349本について活力診断調査を行った結果,約13%の個体に樹勢の著しい衰退や樹形の崩壊が見られた.こうした個体の存在は街路樹の並木としての美観を損なう一因になっており,樹勢や樹形を維持していくためには,樹木の特性を熟知した剪定など的確な街路樹の管理が望まれる.