抄録
栃木県葛生地域の中部ペルム系鍋山層の12 層準から産するParafusulina 5種(P. yabei, P. tomeganensis , P.
shimotsukensis, P. tochigiensis とP. japonica ) の形態変異を記載した.多数の顕微鏡写真や定量化可能な殻形質( 初室の外径,第7旋回における長さと幅および両者の比,殻壁の厚さ,隔壁数) の頻度分布ヒストグラムを示しながら5種の多様性を解析した.これら5種の個体間で識別された幅広い形態変異は他種の認定やフズリナ類の分類の際にも有用と考えられ,過去の生物多様性の認識や関連する諸問題の議論に重要である.