抄録
平成 28 年熊本地震の本震(Mj 7.3)の際に,熊本県博物館ネットワークセンターでは震度 6 強を記録し,
保管していたさく葉標本(216 袋,4064 点)がオープンラックから落下した.それらのうち標本を密封し
ていたビニール袋の26%,標本の24% は落下により破損した.落下標本にカビの発生が疑われるものはな
く,破棄するほど破損した標本もなかった.標本に観察された破損は,1) 台紙の角の折れ曲がり,2) 標本
の植物体の一部の損傷,3) 標本を固定していたテープの破損やはがれ, 4) 標本の一部分を入れた小袋の損
傷, の 4 タイプだった.平積からの落下と比べると箱ごと落下した標本の損傷率は低く,標本を箱に入れれ
ば落下しても破損しにくいことがわかった.