2020 年 29 巻 p. 1-5
事前の浸漬溶液が熱風乾燥銀サケに及ぼす影響を検討した。浸漬溶液には,NaCl, クエン酸Na, 乳酸Ca, ソルビトールおよびプロテアーゼ溶液を用いた.浸漬後の銀サケを90℃で加熱して60℃で送風乾燥した.NaCl,クエン酸Na,乳酸Ca およびプロテアーゼ溶液に浸漬後乾燥したサケは,浸漬処理をしていないコントロールと比べて含水率が低く,a*値が高く,破断数が多かった.物性解析により,20種類の市販の菓子類と乾燥サケの破断数と最大荷重を比較して,マッピングした.NaClおよびクエン酸Na溶液に浸漬されたサケの乾燥は,乾燥前期および後期も乾燥速度が他に比べて早かったことから,素材内部の水分が拡散しやすい状態にあると推察された.