広島県立総合技術研究所食品工業技術センター研究報告
Online ISSN : 2435-5909
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29 巻
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報文
  • 渡邊 弥生, 中津 沙弥香
    2020 年 29 巻 p. 1-5
    発行日: 2020/03/16
    公開日: 2020/10/02
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    事前の浸漬溶液が熱風乾燥銀サケに及ぼす影響を検討した。浸漬溶液には,NaCl, クエン酸Na, 乳酸Ca, ソルビトールおよびプロテアーゼ溶液を用いた.浸漬後の銀サケを90℃で加熱して60℃で送風乾燥した.NaCl,クエン酸Na,乳酸Ca およびプロテアーゼ溶液に浸漬後乾燥したサケは,浸漬処理をしていないコントロールと比べて含水率が低く,a*値が高く,破断数が多かった.物性解析により,20種類の市販の菓子類と乾燥サケの破断数と最大荷重を比較して,マッピングした.NaClおよびクエン酸Na溶液に浸漬されたサケの乾燥は,乾燥前期および後期も乾燥速度が他に比べて早かったことから,素材内部の水分が拡散しやすい状態にあると推察された.

  • 藤原 朋子, 西濱 健太郎, 大土井 律之, 山﨑 梨沙
    2020 年 29 巻 p. 7-12
    発行日: 2020/03/16
    公開日: 2020/10/02
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    交雑法により育種した広島もみじ酵母(H16-2 株)は,製成酒で7~8 ppmのカプロン酸エチル生成能を有し,発酵力が強く,製成酒の酸度が低である特徴をもつ.県内酒造会社からの要望を受けて,広島もみじ酵母のバリエーションを増やすために,H16-2 株よりも酸度が高い酵母を開発した.H16-2 株を親株とし,自然誘発シクロヘキシミド耐性株から酸度改良候補株を取得し,アルコール脱水麹添加麹汁培地発酵試験及び総米1 kg 小仕込試験により2 株を選抜した.総米110 kg醸造試験において,酸度がH16-2 株の1.1 倍で,発酵能やカプロン酸エチル生成能等のH16-2株の特徴を維持することを確認した酸度改良株No.72 株を獲得した.

  • 重田 有仁, 中西 魅加子, 松原 正洋, 塩野 忠彦, 松下 利恵, 橋本 顕彦, 青山 康司
    2020 年 29 巻 p. 13-18
    発行日: 2020/03/16
    公開日: 2020/10/02
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    1)B.subtilis 芽胞について,圧力処理によって芽胞を発芽させた結果,CFDAによる染色性が高まることが明らかとなった.また,染色された芽胞数を蛍光顕微鏡観察により計数した結果,50 MPa以上の圧力において培養法とほぼ同等の測定値が得られることが分かった.

    2)圧力発芽誘導を利用した芽胞の染色により,市販の迅速測定装置を用いて芽胞数を測定できることが明らかとなった.本法と培養法の相関は0.99であった.また,めんつゆなどの栄養成分,食塩などを含む系やふきとり検査においても本法は利用することができた.本法によれば,種々の菌種の芽胞を培養法と高い相関をもって短時間に測定できることが明らかとなった

技術論文
  • 藤原 朋子
    2020 年 29 巻 p. 19-22
    発行日: 2020/03/16
    公開日: 2020/10/31
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    エタノールセンサを用いた味噌のアルコール濃度の簡易・迅速な測定方法を検討した.エタノールセンサは,15~30 ℃の範囲内においてエタノール濃度1 %(w/v)以下で精度よく測定でき,エタノール以外のアルコール類にも反応することを確認した.測定方法は,室温で,味噌と9 倍量の水との混合液を入れた容器の気体中にエタノールセンサプローブを投入し,測定開始60 秒後の値を測定値とした.測定値から味噌のアルコール濃度を酸化法により分析した値を求めた回帰直線は予測に役立つといえた.回帰係数を基に,味噌のアルコール濃度%(w/w)をエタノールセンサ測定値 × 8.7 と推定した.推定値と酸化法による分析値とは極めて強い相関があり,本測定方法が十分利用できると判断した.

抄録
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