北海道畜産草地学会報
Online ISSN : 2434-138X
Print ISSN : 2187-5391
原著
マンガリッツァの発育に伴う脂肪形成と脂質関連遺伝子の特徴に関する研究
金 翔宇谷口 航輝佐々木 真彩山根 慧悟髙谷 龍馬小出 明里米田 英里奈萩谷 功一佐々木 基樹村西 由紀
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2022 年 10 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

ハンガリー原産のマンガリッツァは、品種の特徴として厚い脂肪を蓄積することが知られている。しかし、その脂肪発達に関する情報は国内外にほとんどない。本研究は、マンガリッツァの脂肪組織の組織学的評価ならびに遺伝子発現について商業用品種(三元交雑種およびケンボロー)と比較し、脂肪発達と蓄積過程を調査した。脂肪厚測定結果から、マンガリッツァの背脂肪は出生後から商業用品種よりも厚く、両品種間の脂肪蓄積は異なることを示した。8ヶ月齢のマンガリッツァの背部脂肪細胞面積は、商業用品種よりも大きかった(P < 0.05)。脂肪細胞特異的な代謝機能に関する遺伝子(HSLFASNaP2)は、商業用品種と比較し、マンガリッツァの脂肪において有意な減少を示した。一方で、脂肪前駆細胞マーカーであるKLF4の発現が増加した。したがって、マンガリッツァの脂肪細胞における遺伝子発現動態は商業用品種と異なる可能性が示唆された。

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© 2022 北海道畜産草地学会
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