2022 年 10 巻 1 号 p. 7-16
チモシーにおけるリードカナリーグラス(RCG)に対する競合力に及ぼすRCGとのアレロパシーに関するチモシーの抵抗性と潜在的アレロパシー活性(PAA)の影響を評価するため、チモシー10品種系統とRCG(品種「パラトン」)を用いてagar-based methodと圃場試験を実施した。その結果、競合条件でのチモシー3 か年合計乾物収量に対するチモシー地上部長の抵抗性の寄与率は40.0%、また競合条件でのRCG3か年合計乾物重量に対するRCG地上部長へのPAAの寄与率は58.7%、競合条件での裸地進出RCG3年目合計乾物重量に対するRCG根長へのPAAの寄与率は84.7%を示した。アレロパシーに関する上記3形質は、チモシーまたはRCGの合計収量または重量で群別した正準判別分析でも選択され、有意な判別関数が得られた。以上より、競合力に及ぼすアレロパシーの影響は大きく、育種改良の可能性が示された。