チモシーにおける初期生育性の効果的な選抜方法を解明するため、チモシー63品種系統、オーチャードグラス(OG、品種「パイカル」)およびペレニアルライグラス(PR、品種「チニタ」)を用いて、圃場および室内試験を実施した。 初期生育性の指標は、播種年における1番草の乾物収量とした。その結果、初期生育性について供試材料間に有意な差異が認められた一方で、その狭義の遺伝率は中程度から低かった。そのため、個体選抜よりも系統選抜が望ましいことが示唆された。さらに、初期生育性の間接選抜指標として、圃場条件では定着時草勢、室内条件では1,000粒重とシャーレでの7日目乾物重が有望であることが明らかとなった。また、上記3形質を用いた重回帰分析によるチモシー乾物収量の予測変化値から、PRほどの初期生育性の達成は困難であるものの、OGと同程度の初期生育性を達成する可能性はあり、チモシーの追播利用の可能性が示唆された。