2021 年 9 巻 1 号 p. 17-24
肥育前期からのコラーゲンケーシング残さ(ケーシング)給与(市販飼料への5 %または10 %添加)によるブタの発育、産肉と血清成分への影響を検討した。肥育後期と肥育期全体の1日平均増体量で市販飼料のみを給与した対照区に比べ、市販飼料の10 %をケーシングで代替した区(10 %区)で有意に低い値を示した。肥育前期、後期および肥育期全体の1日1頭当たりの飼料摂取量は対照区に比べ10 %区が有意に低く、市販飼料の5 %を代替した区(5 %区)に比べても肥育後期では低い傾向を、肥育期全体では有意に低い値を示した。血清成分ではA/G比、γ-グロブリンおよびHDLコレステロール濃度が対照区に比べ10 % 区において、総コレステロール濃度が対照区に比べケーシング給与区において影響がみられた。よって、10 %区で見られた飼料摂取量と増体量の低下から、ケーシングの肥育豚における飼料添加割合は10 %より5 %が適していると考えられた。