2021 年 9 巻 1 号 p. 9-16
早晩性が異なるチモシー(Phleum pratense L.)6品種を供試し、夏以降の播種期が翌年の生育に及ぼす影響を検討した。9月に播種した結果、品種にかかわらず翌年1番草の乾物収量は激減し、8月播種に対する減収程度に品種間差異が認められた。再生草を加えた年間収量でも、8月播種に追いつくことはできなかった。1番草における減収程度は、極早生の「クンプウ」が最も大きく、早生の「なつちから」、中生の「なつぴりか」、「キリタップ」では小さかった。いずれにしても、播種翌年から品種の潜在生産力を活かすには、1番草から本来の生育を発現することができるよう、播種期を遅らせないことが肝要と考えられた。なお本試験結果は、単年1回の調査データに基づくものであることに留意することが必要である。