北海道畜産草地学会報
Online ISSN : 2434-138X
Print ISSN : 2187-5391
原著
チモシーの夏以降の播種における翌年の生育の品種間差異
藤井 弘毅 田中 常喜飯田 憲司
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2021 年 9 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

早晩性が異なるチモシー(Phleum pratense L.)6品種を供試し、夏以降の播種期が翌年の生育に及ぼす影響を検討した。9月に播種した結果、品種にかかわらず翌年1番草の乾物収量は激減し、8月播種に対する減収程度に品種間差異が認められた。再生草を加えた年間収量でも、8月播種に追いつくことはできなかった。1番草における減収程度は、極早生の「クンプウ」が最も大きく、早生の「なつちから」、中生の「なつぴりか」、「キリタップ」では小さかった。いずれにしても、播種翌年から品種の潜在生産力を活かすには、1番草から本来の生育を発現することができるよう、播種期を遅らせないことが肝要と考えられた。なお本試験結果は、単年1回の調査データに基づくものであることに留意することが必要である。

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© 2021 北海道畜産草地学会
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