保健師教育
Online ISSN : 2433-6890
委員会活動報告
国家試験委員会の活動~保健師国家試験の質向上を目指して~
国家試験委員会
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2019 年 3 巻 1 号 p. 48-49

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I. はじめに

今年度の国家試験委員会は,第105回国家試験問題と受験環境に関する調査を実施し厚生労働省へ意見書を提出すること,教員研修会などにおける保健師国家試験問題作成マニュアル・ガイドラインの活用普及などの情報発信を通じて,保健師国家試験への関心を高めることを主な活動方針としました.

II. 活動結果

1. 保健師国家試験に関する調査の実施

特に問題内容に係る調査は,厚生労働省の医道審議会保助看分科会K・V部会(事後評価)が開催される3月第1週までに本協議会の意見書提出を間に合わせることが委員会に課せられている責務です.そのため,国家試験終了後早急に結論を出さなければならず,会員校の皆さまには日程的な無理をお願いしている次第であります.国家試験翌週に会員校からの回答を取り纏め,その週末に委員会を開催し,翌週の月曜日,つまり国家試験実施から10日目には厚生労働省に意見書を直接届けます.しかし,より早い意見書の提出が望まれており,委員会の平日開催が課題となっています.

検討は2~3日間集中しての討議であり,分析力だけでなく体力も勝負.保健師に必要な知識や技術を問い,かつ保健師教育課程修了者が到達可能なレベルであるかを検証し,国家試験問題をブラッシュアップするスキルの伝承の場にもなっています.合宿様の討議のプロセスは委員の結集力が高まる機会にもなっています.

この全問調査への会員校の年度別参加状況の推移は図のとおりです.お陰様で漸増傾向にあり昨年度第104回国家試験調査は111校(55.5%)から参加いただき,より精度の高い意見書が作成できました.第105回保健師国家試験問題調査結果は総会で報告させていただきます.

図 

2. ブロック研修における講師及び情報発信

北関東・甲信越ブロックからの依頼を受け,「これからの保健師国家試験対策―保健師教育に活かす作問プロセスの実践―」と題した研修会を委員長と委員の計3名で担当させていただきました.講義は,保健師国家試験出題基準平成30年版の目的の再確認,第104回保健師国家試験調査・分析結果から見える出題傾向と日頃の教育への活かし方.その後,グループワークによる保健師国家試験問題作成演習.短い時間の演習でしたが,昨年度発刊の「保健師国家試験問題作成ガイド(実践編)」による問題作成シートを活用し作問プロセスを踏みながら,先生方が学生に学ばせたいと思っていることを反映させた問題ができました.作問結果をグループ間で発表し合い,成果の共有と作問上の留意事項を確認し合えました.

今後もこのようにブロック等の研修会にご協力していくことも国家試験委員会の役割と考えております.

III. おわりに

来年度は教員研修での分科会やブロック等からのご依頼に応じるなど,保健師国家試験に関する情報発信を積極的に行いたいと考えております.国家試験問題内容調査は会員校のご参加なくしては成立しない調査であり,皆様方のご理解とご協力に心から感謝申し上げますとともに,今後も引き続きご協力くださいますようお願い申し上げます.

Biographies

担当:坪川トモ子(新潟青陵大学看護学部)

大谷喜美江(日本赤十字豊田看護大学)

大西真由美(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)

齋藤公彦(福山平成大学看護学部)

播本雅津子(名寄市立大学保健福祉学部)

 
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