2020 年 4 巻 1 号 p. 68-76
【目的】2年次に看護師教育として実施している地域包括支援センターあるいは地域活動支援センター等障害者施設での実習(以下地域ケア実習)について,学生の自己評価を用い,学習成果を明らかにすることを目的とした.
【方法】地域ケア実習の履修学生84名を対象に,実習前後における地域のケアに関連する学習目標28項目の習得状況について,集合法による無記名自記式質問紙調査を実施した.実習前後で回答の得られた72名を分析対象とし,記述統計,ウィルコクスンの符号順位検定,及び自由記述の分析を行った.
【結果】地域包括支援センターで実習を行った学生は,地域のケアに関連する学習目標全28項目において,実習前より実習後で自己評価が高くなり有意差がみられた.地域活動支援センター等障害者施設で実習を行った学生をみると,有意差がみられた項目は28項目中23項目であった.
【考察】2年次の地域での実習は学生の地域ケアに関する実践力の習得に有効であることが示唆された.