目的:大学院保健師基礎教育でケアシステムの構築と施策化する能力の獲得を目指した公衆衛生看護学実習の展開と学生の学びを記述する.
方法と対象:修士課程2年次生で実習単位を修得した6名にフォーカス・グループ・インタビューを行い学生の学びは質的記述的分析を行った.
活動内容:学生は,実習地のケアシステムの課題を検討し,収集した情報を分析した結果からシステム化と施策化の必要性を判断し結果を共有する会議を行った.学生は,住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識し,個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見ることを学び,戦略的な合意形成の必要性を学んでいた.
考察:学生はケアシステムと施策化を検討する過程でこれまでの講義,演習,実習の学びを統合して学んでいた.実習では実践現場と教育機関が共に実習を創り,双方が発展の機会となることを目指した協働が必要である.