保健師教育
Online ISSN : 2433-6890
活動報告
大学院保健師基礎教育におけるケアシステムの構築と施策化の能力獲得を目指した公衆衛生看護学実習の展開と学生の学び
小澤 涼子若山 好美高橋 彩華吉田 礼維子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2022 年 6 巻 1 号 p. 80-88

詳細
Abstract

目的:大学院保健師基礎教育でケアシステムの構築と施策化する能力の獲得を目指した公衆衛生看護学実習の展開と学生の学びを記述する.

方法と対象:修士課程2年次生で実習単位を修得した6名にフォーカス・グループ・インタビューを行い学生の学びは質的記述的分析を行った.

活動内容:学生は,実習地のケアシステムの課題を検討し,収集した情報を分析した結果からシステム化と施策化の必要性を判断し結果を共有する会議を行った.学生は,住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識し,個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見ることを学び,戦略的な合意形成の必要性を学んでいた.

考察:学生はケアシステムと施策化を検討する過程でこれまでの講義,演習,実習の学びを統合して学んでいた.実習では実践現場と教育機関が共に実習を創り,双方が発展の機会となることを目指した協働が必要である.

I. はじめに

我が国では,少子高齢化の進展や国民の保健医療福祉ニーズの多様化・複雑化,災害や新興感染症の拡大など健康危機が頻発する中で,地域住民が住み慣れた地域で自分らしく生活できるために,全世代型の地域包括ケアシステムの構築・推進が急務となっている(日本看護協会,2021).看護基礎教育検討会報告書(厚生労働省,2019)では,保健師基礎教育において,ケアシステムの構築や地域のニーズに即した社会資源の開発等を推進するために施策化能力を強化することが提示された.これを受け,2022年度には保健師助産師看護師学校養成所指定規則の一部改正により(文部科学省・厚生労働省,2020),新たなカリキュラムが運用される.

地域包括ケアが推進される中,真山(2018)は,保健師にはケアに関わる政策形成に積極的な役割を果たすだけでなく,地域包括ケアシステムを確立させ持続的に機能させることが求められると指摘している.看護基礎教育検討会報告書(厚生労働省,2019)でも,地域包括ケアシステム等の構築において保健師の役割の重要性が増していることから,求められる実践能力と卒業時の到達目標に「ケアシステムを構築する」ことが明記された.保健師には,暮らす人々と地域の健康を守る公衆衛生看護の責務と使命を遂行するため,ケアシステムの構築と施策化の能力は一層必要とされ,保健師基礎教育でその能力を育成する重要性が高まっている.

本学は,2016年度より保健師基礎教育を大学院修士課程に移行し,地域の人々の健康と生活を守る高い実践力を備え,分析力,研究力,政策提言力に優れた保健師の育成を目指してきた.その一端として,2年次には1年次と同じ自治体を実習地として,ケアシステムの構築と施策化の能力の獲得を目指した公衆衛生看護管理実習II(以下,管理実習II)を行っている.管理実習IIは,関係機関や地域の人々と協働して課題を解決するためのケアシステムと施策化を検討し,関係者にプレゼンテーションするといった保健師教育におけるミニマム・リクワイアメンツ(全国保健師教育機関協議会,2014)に提示されている2年課程の目標の到達を目指したものである.

本活動報告では,大学院修士課程の保健師基礎教育において,ケアシステムの構築と施策化の能力の獲得を目指した管理実習IIの展開を学生の学びと合わせて記述することを目的とした.地域の将来を見据え,社会の変化に対応できる保健師が求められる中,本報告は,複雑な健康課題を地域住民や他職種との協働により解決するケアシステムを構築し,施策化する能力を育成する実習を検討する上での基礎資料となると考える.

II. 方法

1. 本学の実習の概要と管理実習IIの位置づけ

本学の実習は,1年次後期の家族看護継続実習,公衆衛生看護展開実習(以下,展開実習),公衆衛生看護管理実習I(以下,管理実習I),2年次前期の管理実習IIから成る(表1).実習は,保健師に求められる実践能力と卒業時の到達目標と到達度(厚生労働省,2019)の実践能力の獲得につながるよう段階的に設定している.ここでは,同じ自治体で実習を継続して行う展開実習,管理実習I,管理実習IIについて説明する.

表1  大学院保健師基礎教育における本学の実習の概要
開講年次 実習科目 主に関連する実践能力 実習概要
1年後期 家族看護継続実習(1単位) I.地域の健康課題の明確化と計画・立案する能力(個人/家族)
II.地域の健康増進能力を高める個人・家族・集団・組織への継続支援と協働・組織活動及び評価する能力(個人/家族)
V.専門的自立と継続的な質の向上能力
家族のセルフケア機能の向上を目指し,社会や地域との関係から家族を理解した家族看護を実践する能力を習得する.新生児期から乳児期にかけて,第1子のお子さんを持つ養育期の家族を1事例受け持ち,家族アセスメント,看護計画立案,家庭訪問の実践,評価を4回の継続訪問で実施する.2回目の訪問後に,学内で事例検討会を行う.
1年後期 公衆衛生看護展開実習(2単位) I.地域の健康課題の明確化と計画・立案する能力(個人/家族・集団/地域)
II.地域の健康増進能力を高める個人・家族・集団・組織への継続支援と協働・組織活動及び評価する能力(個人/家族・集団/地域)
III.地域の健康危機管理能力(個人/家族・集団/地域)
V.専門的自立と継続的な質の向上能力
地域特性を踏まえて行政の責任において展開される公衆衛生看護活動を学び,実践・評価できる能力を養う.地域の健康課題解決へ向け,地域住民や,保健・医療・福祉,教育などと連携・協働できる能力を養う.事前に地域アセスメントから抽出した地域の健康課題について実際の公衆衛生看護活動を通して明確化する.家庭訪問は各1事例,健康学習支援はグループで1事例担当し実践する.健康診査,健康相談,地区組織活動,健康危機管理等の公衆衛生看護活動に関する説明を受け,参加,可能な内容は実践する他,産業体験等により暮らす人々と地域を理解する機会を持つ.
1年後期 公衆衛生看護管理実習I(2単位) I.地域の健康課題の明確化と計画・立案する能力(集団/地域)
II.地域の健康増進能力を高める個人・家族・集団・組織への継続支援と協働・組織活動及び評価する能力(集団/地域)
IV.地域の健康水準を高める事業化・施策化・社会資源開発・システム化する能力
V.専門的自立と継続的な質の向上能力
公衆衛生看護展開実習Iで抽出した健康課題のうち1つに焦点を当て,健康課題の原因と背景を明らかにするために新たに必要となる情報を,多様な方法で収集し再アセスメントを行う.取り組む健康課題を明確化した上で,地域の将来像を見据え健康な地域を創造するためのビジョンを描き,地域のエンパワメントを意図した地区活動計画を立案,評価する能力を養う.住民や関係機関との連携・協働により,健康な地域づくりを目指す公衆衛生看護管理の基礎的能力を習得する.
2年前期 公衆衛生看護管理実習II(1単位) IV.地域の健康水準を高める事業化・施策化・社会資源開発・システム化する能力
V.専門的自立と継続的な質の向上能力
公衆衛生看護管理実習Iで特定した健康課題を解決し健康なまちを創造するために,保健・医療・福祉・教育など関係者と連携・協働し地域のケアシステムが有効に機能するための合意形成の過程を学び,マネジメントする能力を修得する.健康課題に関連する各種保健医療福祉に関する計画を国,都道府県,実習地の施策や関連法規との関係から検討する.既存の社会資源,地域のケアシステムの現状と課題をアセスメントし,住民や関係者へのインタビュー等を通して,目指すケアシステムを構想し,施策化の必要性を検討する.検討結果を関係者と共有する会議を企画し,運営,評価する.

※保健師に求められる実践能力と卒業時の到達目標と到達度(厚生労働省,2019)に提示されている実践能力の項目を指す

展開実習は,事前の実習地の地域アセスメントを基に実習に臨み,公衆衛生看護活動の実践,体験を通して地域特性や地域の健康課題に応じた活動の実際を学ぶ.家庭訪問や健康教育,健康診査,健康相談,地区組織活動の他,産業体験等多様な活動を通して,健康課題との関係を検討し保健師の専門性と役割,機能を考察する.

管理実習Iは,展開実習で明らかにした健康課題のうち一つに焦点を当て,健康課題の原因と背景を明らかにするため新たに収集した情報を分析する.結果から,健康な地域を創造するためのまちのビジョンを描き,健康課題の解決に向けた地区活動計画を立案する.

管理実習IIは,管理実習Iで特定した健康課題に関連する各種計画や法制度,施策等を分析し,ケアシステムの現状と課題を検討する.その上で新たなに必要な情報を収集,分析し,住民や関係機関と連携,協働したケアシステムと施策化を検討する.学生はケアシステムの構築において必要な関係者と結果を共有する会議を実施し,ケアシステムが機能するための合意形成の過程と質を保障するマネジメントを学ぶ.教員は,1年次から講義,演習,実習を通して,地域の社会資源やケアシステムの現状と課題,各種計画や関係法規,施策との関連を学生が考察できるよう各科目でも意図して教授している.

2. 学生の学びに関するデータ収集と分析方法

データ収集には,学生が互いの体験から学びを想起し発言できるようフォーカス・グループ・インタビュー(以下,FGI)を用いた.対象とする学生は,修士課程2年次に在籍し実習単位を修得した8名とした.

インタビューは全ての成績評価が終了し倫理審査の承認を得た後の2月に行った.管理実習IIの終了から6か月経過していたため,学生には事前に学びを想起して語りやすいよう,FGIの前に管理実習IIで取り組んだ実習地の健康課題と社会資源やケアシステムのアセスメント,関係者へのインタビューを通して構想したケアシステムと施策化の内容,関係者と課題を共有した会議の一連の資料を改めて確認することを伝えた.インタビューは,管理実習IIの一連の実習の流れ(表2)を辿り,何を感じどのようなことを学んでいたのかインタビューガイドに基づき実施し,許可を得てICレコーダーに録音した.

表2  公衆衛生看護管理実習IIの実際
実習の流れ 実習内容 2020年度実習方法
実習前 演習科目内での事前学習 健康課題の解決に関連する国,都道府県,実習自治体の各種計画や施策,関係法規との関連を検討する.合わせて,健康課題の解決に向けて社会資源とケアシステムの現状と課題をアセスメントする.
目指すケアシステムを構想し施策化の必要性を判断するために新たに必要となる情報を収集するための実習計画を立案する.
オンライン・学内
実習

帰校日を挟み5日間
1日目 実習地への事前学習報告会
実習計画の確認と調整
関係者へのインタビューと資料からの情報収集,分析
オンライン・学内
2日目 関係者へのインタビューと資料からの情報収集,分析
社会資源,ケアシステムのアセスメント
目指すケアシステムの構想と施策化の判断
実習地で実習をする学生と,学内で実習をする学生に分け,人数を分散し実習地の滞在時間を最小限にして実施
3日目 関係者へのインタビューと資料からの情報収集,分析
社会資源,ケアシステムのアセスメント
目指すケアシステムの構想と施策化の判断
会議の企画案と提示資料案の作成
4日目 実習地への会議企画案のプレゼンテーションと運営の打合せ
会議に提示する資料作成と展開の準備
オンライン・学内
5日目 関係者等と会議の実施,評価
最終カンファレンス
実習地

分析は学生の学びに着目して文脈を区切りコード化した.類似性と相違性を検討しサブカテゴリを生成した後,抽象度を上げカテゴリを生成し学生の学びを抽出した.

3. 倫理的配慮

学生には研究の趣旨と依頼内容を口頭と文書で説明した.研究への参加の任意性の保証,匿名性の保護と成果の公表等を説明し,同意書への署名により同意を得た.学生には,途中辞退や参加の撤回が可能であり,その際成績への影響はなく一切の不利益が生じないことを説明し保証した.本研究は天使大学研究倫理委員会の承認を得た(No. 2020-32,承認日:2021年2月22日).

III. 活動内容

1. 管理実習IIの展開の実際

管理実習IIの展開の実際を表2に示す.2020年度は新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の拡大により,例年実施していた6月中旬の実習は困難となった.その後,時期を延期して7月下旬から8月上旬のうち5日間を調整し,オンラインと現地での実習を組み合わせて行った.学生8名は4名ずつ2つの自治体に分かれて実習した.A町は人口約5千人,B町は約2万人であり,いずれも農業や漁業を産業の特色とした町であった.健康課題は,A町は働く若年層からの生活習慣病発症と重症化による人工透析の増加,B町は労働者や子育て世代の生活習慣病予防による糖尿病発症と重症化予防に焦点を当てた.

実習1日目,学生は事前に検討した健康課題に関連する国,都道府県,実習地の各種計画や法制度,施策との関連の他,ケアシステムを個人・家族レベル,地域レベル,社会レベルで分析した結果を実習地の保健師にオンラインでプレゼンテーションし意見交換した.

2日目と3日目は,実習地に滞在する学生数を分散し,ケアシステムの構築と施策化の検討に必要となる関係者にインタビューを行った.インタビューはA町,B町共に,実習地や保健所の保健師,国民健康保険担当者,農業協同組合や漁業協同組合,商工会といった職域関係者,医療従事者,社会教育関係者等に行った.その上で目指すケアシステムと施策化の必要性を検討した.A町は住民間の互助を活かし,保健と医療,職域,社会教育等のネットワークを強化し,働く世代の生活習慣病予防を目指したケアシステムを構想した.合わせて医療機関と一体となった生活習慣病予防の強化,職域と健康経営を踏まえた生活習慣病予防,女性団体の交流に合わせた生活習慣病予防を施策として検討した.B町は医療機関や職域団体,生涯教育活動と連携を強化し,地域包括支援センターと一体となり働く世代や家族の健康づくりを推進するケアシステムを構想した.合わせて職域と連携した健診と保健指導の推進,事業所単位で健診後の受診や通院が可能となる職場環境の推進,医療機関と連携した受診者の把握と生活習慣病予防の体制の構築を施策として検討した.

4日目は検討したケアシステムと施策化について実習地の保健師に提示しオンラインで意見交換した.5日目の会議の企画案もプレゼンテーションし運営を検討した.

5日目は,検討したケアシステムと施策化について共有し意見交換する会議を実習地で行った.A町は実習地の保健部門と保健所の保健師,管理栄養士,歯科衛生士,国民健康保険担当者,保健福祉部門の係長職が出席し,B町は実習地の保健部門と地域包括支援センター並びに保健所の保健師,保健部門の管理職が出席した.

2. FGIに参加した学生の概要

FGIに参加した学生は6名であった.A町で実習を行った学生が3名,B町で実習を行った学生が3名であった.

3. 管理実習IIにおける学生の学び

ケアシステムの構築と施策化の能力獲得を目指した管理実習IIの学生の学びには,1)ケアシステムを構想し施策化を検討する過程の学び,2)ケアシステムの構築に向け合意形成を図るための学び,3)公衆衛生看護を実践する保健師の責務に関する学びがあった(表3).以下学生の学びを【 】はカテゴリ,《 》はサブカテゴリで表し,学生の語りを「 」で用いて説明する.一部意味内容を変えないように( )で補足した.

表3  大学院保健師基礎教育におけるケアシステムの構築と施策化の能力獲得を目指した公衆衛生看護学実習の学び
カテゴリ サブカテゴリ 主なデータ
住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識する 個を見て集団を見てきたことで生活を大事にしたケアシステムを意識する 家庭訪問に行ったり,健康教育して実際に住民さんと会って,生活してる人の声を聞く重要性を知ってシステムを見れたから,そこにいる人たちの生活がどういう生活をしているかを大事にした上で(システムを)見ることを意識できた(学生A)
実習で糖尿病を持って治療と仕事をする人たちの生活を町でどう支えるか考える時に,これまで聞いた人の話や事前に調べたことを基にして,関係機関がどんな働きをしてたら町としていいシステムができるかイメージできる部分があった(学生C)
地域やケアシステムをアセスメントしてきた基盤を活かして全貌を見る 1年から町のアセスメントをして,住民だけでなく環境とか機関とか法律とかそういうアセスメントを2年間でまず基本として教えてもらって学習して,それをわかってないと全然全体像が見えない.わかってるからどこと関係したほうがいいのかが(見える).実習地で実際の事例でやったことでより具体的に学びになった(学生B)
現地講義でアセスメントの練習をして,実習で住民グループに関わったり話を聞いてアセスメントしたし,グループの発展過程,ケアシステムの発展も教科書で学んだことを実習とつなげて見れた(学生C)
量的データと質的データを根拠に問題の本質に迫る 量的データだけでなく住民の声を裏付けながら探究する 家庭訪問で,農業だからどこにも出掛けらなくて家で飲むことが楽しみだったりとか住民さんの声が聞けて.量的なデータも飲酒量が多い,ただ単純に飲酒が多いで終わるんじゃなくて理由があって飲酒量が多くなることが分かって(学生A)
1年の実習のことみんな思い出して「こういう風に住民さん言ってたよね」ということから,やっぱりこの町ではそういうことが課題なんだとつながった.だから住民さんの声を聞くのはすごい大事(学生F)
データを読むだけでなく問題の根幹を考え続けてアセスメントする アセスメントの時,グラフをただ読み取ることではなく,根本的に何が起きてるのかを考える機会が,アセスメントする上で自分の考える思考の及ぶ範囲を広めてくれた(学生E)
見えている問題の根幹は何か考えることが大事だってすごく言われてきた部分が,今回の基になるアセスメントにつながった(学生D)
個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見る ケアシステムや施策を具現化するためにミクロとマクロの視点を行き来する インタビューで,この人話に聞いていたよりすごいやる気だったなとか,意外と保健師も知らない教室を独自で集まってやってるとか知って,町として取り組むとしたらどの計画に位置付けたらいいか,上位計画につながっているとか,視点を切り替えられるようになって,ミクロとマクロじゃないけど広く見れる視点を手に入れたことで両方を行き来できるようになった(学生A)
各種計画や施策のつながりを体系的に見る 1年の実習は一つの事業の法律や計画の根拠を考えたけど.2年は町の計画を一から見直して,保健事業を全て調べてつながりが見えたら,自分たちが考えていた部分だけじゃなくていろいろやってたんだって広がった.1年より町全体でやってるつながりが見えた(学生F)
広域な管内と,都道府県や国で(対策に)力を入れているけど,町は(対策に)力を入れたいけどまだできないんだなって,実習地の課題がもっと広い視点をもってつながっていった(学生B)
連携の実態からケアシステムを構築する可能性を見出す 生活習慣病対策で部署のつながりはなくても,別の対策で情報共有が行われていて,全然つながっていないところで実はつながってたみたいな.インタビューしてみたら,縦のつながりだけじゃなく横にもつながってたんだって見えてきた(学生C)
保健師も医療機関も職域も,それぞれが健康に向かって取り組んでいることがインタビューでわかって.いろいろな住民とつながりをもって普段の活動や健康の関心を聞く機会が大事で,つながりを持ってみんなで保健事業を行ったり,健康レベルを上げられる(学生F)
成果を統合しケアシステムを見渡せる資料を作る ケアシステムとして見るためには,全部がどうつながってるか見なきゃいけない.そう思ったときに,どう関連付いてるんだろうというのを全体として見るために,それぞれが(仲間で)やった作業を統合させるのがオンラインで難しかった.でも最終的にできたもの(資料)は深く全体を見渡せるものになった(学生A)
段階を踏んで戦略的に合意形成を進める 同じ目標に向け進めるために保健師間の合意形成を図る必要性に気づく 会議を開催するまでに誰を呼ぶか考えた時に,せっかくインタビューをしたから産業分野の人を呼びたかったけど,まず保健師間でも情報を擦り合せることができていないところもあるから,合意形成の場としてまず保健分野で情報共有する大事さを学んだ(学生D)
新たにつながりを持たなきゃいけない人(関係者)が(会議に)参加した時,保健師の合意形成が取れていない中進めることは余計難しくなるから,急がず焦らず保健師の合意形成からスタートしないといけないと感じた(学生B)
段階を踏んで関係者との合意形成を戦略的に進める インタビューで情報収集する中で(関係機関が)それぞれ違う思惑で動いていることが分かったので,同じ方向に向かうために現状と課題とビジョンのすり合わせを行っていかないといけない.歯車がちゃんと動かない(学生C)
職域の方はその方々の目標があって,それぞれの関係者の目標をインタビューで知ることができたから,次誰と話し合うか段階を踏んで合意形成を図っていく,時間をかけて取り組んでいく(学生E)
組織が一丸となって取り組むために目標をすり合わせる 個人が理解してただ取り組むんじゃなくて,組織で一丸となって取り組むこと,取り組むことで進めやすくなることもあるから,それぞれの目標のすり合わせが大事だと思った(学生A)
会議の参加者が課の方々だったので,まず今の状況やどこが連携できていないか共有して,課としてどう関係性を築いていけるのか,どう改善できるのか共有が必要だと思った(学生F)
関係者と協働するために話し合える会議を運営する 会議が一方的になり目的を明確にする必要性に気づく 会議の出席者が豊かな話し合いができればいいと思っていたけど(学生が)インタビューで聞いてきたことを共有したい部分も大きかったので,できればいろんな人から話もしてほしいし自分たちの伝えたいこともある.発表する一方になりバランスが難しかった(中略)話し合いの展開の準備が必要だった(学生E)
会議で何をしたいのか,私たちの目標は設定してたけど,何がしたいか曖昧なまま企画案を作ってしまった.(中略)もっと焦点を絞った方がよかった(学生B)
参加者同士が認識を共有できる会議の必要性に気づく 会議の目標を「地域ケアシステムの現状と課題の共通認識を持つこと」と挙げたけど,目標達成するためには保健師さんが現状と課題をどう認識しているのか聞き出すのが一つだった.保健師の認識を聞く質問が会議案に含まれていなかった(学生B)
私たちがアセスメントして,ケアシステムとしてこうあったらいいというのを提案して,それを皆さん共有して意見交換する流れだったけど,他の関係者の要望や思いがいろいろあったと思うので共有できる機会が必要だったと思う(学生A)
公衆衛生看護活動の連動を意識して日頃の活動を積み重ねる 実態を把握し公衆衛生看護管理との連動を意識して活動する 住民さんにインタビューさせてもらったら,健診結果の読み取りが分からない,運動する時間がない実態があることがわかった.そういう事例を積み重ねていけば地区の実態がつかめるし,どんな事業が必要か考えることにつながるので,事例管理と地区管理と事業管理をどう連動するか意識しながらアウトリーチを大切にする(学生C)
日頃の機会を活かしてケアシステムを構築する関係性を築く 保健師が医療機関に赴いて「連携したいんです」って伝えてたけど,顔の見える関係を日頃ある機会を活かしてどう作るかが大事で,会議に来てもらうためにも大切だと思った(学生D)
家庭訪問や健診の限られた中でも,住民や関係機関の方が健康についてどう考えてるのか関係性を築いて話し合っていくことがすごい大事だと思った(中略)今後のシステム作りというか,連携していけそうかとかつながっていく(学生F)
自分の活動が住民の健康に寄与する専門職としての責務を自覚する 全てが住民の健康に寄与する責任を自覚する 自分が行っている事業だったり,その全てが最終的には地域の人々の健康を守ることに全部つながっていると感じて,それがすごいと感じると同時に責任も感じる(学生A)
自分の活動が住民さんの健康に寄与するというところで保健師としてどういう活動をしてくか,活動には専門職としての責任があることを学んだ(学生B)
住民の健康を守るための方法を探しきっかけを活かす 実習でインタビューする中で,今までできない,わからない,無理だと思っていたことが,実際(関係者や住民と)話してみると案外そうでもなくつながっているのを見ていたら,諦めずにやってみる,やれる方法探してみるのが大事だと思った(学生E)
保健師が得た情報から連携や事業につなげていく様子を見ると,どんなことにもきっかけがあってそれを見逃さずにキャッチして活かすことが大事だと思った(学生A)

1) ケアシステムを構想し施策化を検討する過程の学び

ケアシステムを構想し施策化を検討する過程で学生は,【住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識する】【量的データと質的データを根拠に問題の本質に迫る】【個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見る】ことを学んでいた.

学生は,1年次の実習で実践した家庭訪問や健康教育等から理解した住民の生活を振り返り「実際に住民と会って生活している人の声を聞く重要性を知ってシステムを見れたから(中略)どういう生活をしているかを大事にした上で(システムを)見ることを意識できた(学生A)」と《個を見て集団を見てきたことで生活を大事にしたケアシステムを意識する》ことを学んでいた.また,「住民だけでなく環境とか(関係)機関とか法律とか,そういうアセスメントを2年間で(学習し)(中略)それをわかってないと全然全体像が見えない.(中略)実習地で実際の事例でやったことでより具体的に学びになった(学生B)」と《地域やケアシステムをアセスメントしてきた基盤を活かして全貌を見る》ことを実践し【住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識する】ことを学んでいた.

管理実習IIでのインタビューや1年次の実習で把握した質的データを想起してケアシステムを検討する中で,学生は「みんな(1年次の実習を)思い出して『こういう風に住民さん言ってたよね』ということから,やっぱりこの町ではこういうことが課題なんだとつながった(学生F)」と《量的データだけでなく住民の声を裏付けながら探究する》ことを学んでいた.また学生は「グラフをただ読み取ることではなく,根本的に何が起きているのか考える機会が,アセスメントする上で自分の考える思考の及ぶ範囲を広めてくれた(学生E)」と発言し《データを読むだけでなく問題の根幹を考え続けてアセスメントする》ことを実践し,【量的データと質的データを根拠に問題の本質に迫る】ことを学んでいた.

ケアシステムを検討するにあたり,学生は必要な関係者にインタビューをする中で「(関係者が)話に聞いていたよりすごいやる気だったなとか,意外と保健師も知らない教室を独自で集まってやってる(学生A)」と実態に気づき,「町として取り組むとしたら,どの計画に位置付けたらいいか,上位計画につながっているとか(中略)ミクロとマクロじゃないけど広く見れる視点を手に入れたことで両方を行き来できるようになった(学生A)」と《ケアシステムや施策を具現化するためにミクロとマクロの視点を行き来する》ことを体得していた.そして「町の計画を一から見直して,保健事業を全て調べてつながりが見えたら自分たちが考えていた部分だけじゃなくていろいろやってたんだって広がった(学生F)」と《各種計画や施策のつながりを体系的に見る》ことを実践し学んでいた.行政の他部署にインタビューする中では「全然つながってないところで実は(部署同士が)つながってたみたいな(中略)縦のつながりだけじゃなく横にもつながってた(学生C)」と既に他の施策で接点があることを発見し《連携の実態からケアシステムを構築する可能性を見出す》ことを学んでいた.また学生は分析したケアシステムの現状と課題,構想を「ケアシステムとして見るためには,全部がどうつながっているか見せなきゃいけない(学生A)」と考え,オンライン上で分析結果を統合する難しさを感じながらも《成果を統合しケアシステムを見渡せる資料を作る》ことを実践し学んでいた.学生は実習地と都道府県,国の各種計画や法制度,施策との関連の他,ケアシステムの現状と課題を分析する中で【個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見る】ことを学んでいた.

2) ケアシステムの構築に向け合意形成を図るための学び

ケアシステムの構築に向けて関係者と合意形成を図るために会議を企画,運営する中で学生は,【段階を踏んで戦略的に合意形成を進める】【関係者と協働するために話し合える会議を運営する】ことを学んでいた.

学生は,当初インタビューをしたあらゆる関係者との会議を想定していた.しかし「保健師間でも情報をすり合わせることができてない(学生D)」可能性に気づき,「新たにつながりを持たなきゃいけない人が参加した時,保健師の合意形成が取れていない中進めることは余計難しくなる(学生B)」と考え《同じ目標に向け進めるために保健師間の合意形成を図る必要性に気づく》ことを学びとして得ていた.また「(関係者が)それぞれ違う思惑で動いていることが分かったので,同じ方向に向かうために現状と課題とビジョンのすり合わせを行っていかないと(学生C)」と《段階を踏んで関係者との合意形成を戦略的に進める》必要性に気づき《組織が一丸となって取り組むために目標をすり合わせる》ことも含め【段階を踏んで戦略的に合意形成を進める】意義を学んでいた.

実際に会議を運営した学生は「(出席者が)豊かな話し合いができればいいと思っていたけど(中略)いろんな人から話もしてほしいし,自分たちの伝えたいこともある(学生E)」と,学生からの説明が多い一方的な会議になった経緯を振り返り「私たちの目標は設定してたけど,何がしたいか曖昧なまま企画案を作ってしまった(学生D)」と《会議が一方的になり目的を明確にする必要性に気づく》ことを学びとして得ていた.また「(会議の)目標達成するためには,保健師さんが現状と課題をどう認識しているのか聞き出すのが一つだった(学生B)」と《参加者同士が認識を共有できる会議の必要性に気づく》ことを通して,学生は【関係者と協働するために話し合える会議を運営する】意義を実践を通して学んでいた.

3) 公衆衛生看護を実践する保健師の責務に関する学び

学生は管理実習IIを通して【公衆衛生看護活動の連動を意識して日頃の活動を積み重ねる】【自分の活動が住民の健康に寄与する専門職としての責務を自覚する】といった公衆衛生看護を実践する保健師の責務を学んでいた.

住民へのインタビューを通して学生は「事例を積み重ねていけば地区の実態がつかめるし,どんな事業が必要か考えることにつながるので,事例管理と地区管理と事業管理がどう連動するか意識しながらアウトリーチを大切にする(学生C)」と《実態を把握し公衆衛生看護管理の連動を意識して活動する》意義を学んでいた.また「保健師が医療機関に赴いて『連携したいんです』と伝えてたけど,顔の見える関係を日頃ある機会を活かしてどう作るかが大事(学生D)」と《日頃の機会を活かしてケアシステムを構築する関係性を築く》必要性を保健師の姿から実感し【公衆衛生看護活動の連動を意識して日頃の活動を積み重ねる】意義を学んでいた.

学生は「最終的には地域の人々の健康を守ることに全部つながってると感じ,それがすごいと感じると同時に責任も感じる(学生A)」と《全てが住民の健康に寄与する責任を自覚する》経験をしていた.「今までできない,わからない,無理だって思っていたことが,実際話してみると案外そうでもなくつながっているのを見ていたら,諦めずにやってみる,やれる方法を探してみる(学生E)」と《住民の健康を守るための方法を探しきっかけを活かす》ことを実習で培い【自分の活動が住民の健康に寄与する専門職としての責務を自覚する】学びを得ていた.

IV. 考察

1. ケアシステムの構築と施策化の能力獲得を目指した管理実習IIの展開と学生の学び

管理実習IIの学生の学びは,実習地のケアシステムと施策化を検討する過程でこれまでの講義,演習,実習の学びを関連づけ統合することによって得られた学びであった.【住民の生活と地域に立脚したケアシステム作りを意識する】は,学生が1年次に実習地の健康課題を分析し,家庭訪問や健康教育等の実践を通して住民の生活の理解を深めた経験を基に,住民のためのケアシステムを構築する必要性に気づいて得た学びであった.【量的データと質的データを根拠に問題の本質に迫る】ことも1年次の実習で出会った住民の声を学生同士で想起し,ケアシステムを検討する上で,質的データから地域の実態を捉える意義を学んでいた.学生は2年間実習地に出向き人々の声や生活に触れて理解を深めることを繰り返しこれまでの学びと関連づける中で,住民や地域の実態をシステム化や施策化に活かす意義を学んでいたと考える.

また,学生は健康課題の解決に関連する上位計画や法制度,施策について,実習地と都道府県,国との関連を繰り返し分析してきた.そして,ケアシステムを個人・家族レベル,地域レベル,社会レベルで分析し構想する中で【個を見る視点と地域社会を見る視点を行き来してケアシステムや施策のつながりを見る】ことを学んでいた.学生はこの学びによって,実習地の健康課題を都道府県,国といった上位レベルとの関連に位置付けて解決を目指し,新たな連携やネットワークの可能性も発見してケアシステムを構想していた.

今回学生は,各種計画や法制度の関連,ケアシステム内の連携やネットワークの現状と構想を,図表により構造化し会議で説明した.地域ケアシステムの構築に関する授業・演習では,可視化が困難なシステム内外の要素間の相互作用やケアシステムの多次元性を学生が理解できる配慮が必要とさている(全国保健師教育機関協議会,2021).学生は,ケアシステムの全体像を可視化し説明する機会を通してその多次元性を学んでいたと考える.システム化と施策化を検討する実習を保健師基礎教育で経験し,個人を見るミクロの視点と地域社会を見るマクロの視点を行き来してシステムや施策のつながりを捉える意義を学ぶことは,新任期においても広い視野を備えて公衆衛生看護活動を実践することにつながると考える.

今回,学生は検討したケアシステムの構想と施策化の必要性を,関係者と共有する会議を企画,運営する中で【段階を踏んで戦略的に合意形成を進める】ことを学んでいた.学生は当初,インタビューを行ったあらゆる関係者と合意形成する場として会議を検討した.しかし,まず何を目的に誰と合意形成をするか検討する必要性に気づき,今回は保健師を中心とした合意形成を進めることが,その先のケアシステムの構築につながると学んでいた.成木(2016)は,システム構築に何が必要か共通認識されないまま構築を目指しても効果的・効率的なケアの提供が実現しにくいことを指摘し,目的やメンバー構成,組織の相互作用の状況,発展段階等を整理する必要性を挙げている.今回学生も,ケアシステムの構築を実現するために,誰と共通認識を図るか,検討したケアシステムの現状と課題を見直したことで,段階的な合意形成の必要性を学んでいた.会議を開催することが目的ではなく,住民のためのケアシステムの構築を志向し合意形成を進めるためにも,ケアシステムの現状と課題に立ち返り検討することが必要である.

また学生は会議の運営を通して【関係者と協働するために話し合える会議を運営する】ことを学んでいた.髙橋ら(2020)は,地域ケア会議における保健師のファシリテーションの特徴の一つに,地域独自の会議を作り出すことをあげ,自分たちなりの話し合いを模索し,議論の準備を整え,雰囲気や時間を管理し,ルールを設定して参加者が不安なく議論できるよう進行することを提示している.保健師が担うファシリテーションの機能を意図した会議の実践を学ぶ実習の展開が今後の課題である.

システム化,施策化の能力獲得を目指した管理実習IIで学生は,公衆衛生看護を実践する保健師の責務を一層自覚していた.その自覚は,システム化と施策化を検討する過程で,1年次からの講義,演習,実習での学びを関連付け統合したことで,実習地に暮らす人々と地域の健康を守り働きかける公衆衛生看護の全貌を捉え,実感を持って芽生えたものと考えられる.今回のFGIは全ての成績評価が終了した時期に実施した.学生が管理実習IIの学びを想起して語ることができるようにFGIを展開する中では,2年間の学習を終えてより実感を持って学びが語られたことも考えられる.しかし,学生が管理実習IIを通して学んだと語った,関係者や住民の声を聞き健康課題の解決に向けて諦めずに可能性を探ることは,今後倫理的な課題に直面しながら公平性,公正性を基盤に活動する上でも立ち戻る学びになるであろう.COVID-19の拡大に伴う制約の中でも,学生同士で方針を議論してインタビューに臨み,検討を続けた実習の一連の過程が,実習地をわが町として仲間と共に住民の健康を守る保健師の責務を育んだものであったと考える.

2. 実習地との協働で構築する実習展開

2年間同じ自治体で展開する実習は,実習地の保健師が所属内や関係者,住民の方々に理解を頂く説明と調整に尽力された賜物によって実現している.特に管理実習IIは,住民の他,健康課題に関わる関係者とのインタビュー等を通してケアシステムの現状と課題を明らかにする.実習の意図を理解して指導を担い,調整頂けるからこそ,学生が自ら課題を探究し検討できる.そこには,実習の機会を通して健康課題を解決するためのケアシステムと施策を描き,住民の健康を守り健康なまちづくりを目指す,すなわち実習地の課題から実践現場と教育機関が共に実習を創り,双方が発展の機会となる協働が不可欠と考える.坪内ら(2011)は,学生実習を通した協働関係においても,保健師と教育機関がそれぞれの立場で助力の意思を持つことの重要性を述べている.実習が実践を見直す機会としても位置くことができるよう,実践現場の実情の理解に立った関係性を構築し,日頃から研究的な取り組みによって実践の改善に貢献する教員の力量形成も必要と考える.

謝辞

実習地の保健師の皆様,関係者の皆様にはCOVID-19の動向に応じて,学生が地域の健康課題から学ぶ機会を作って下さいましたことに心より御礼申し上げます.また,実習を経験した学生の立場から学びを振り返りインタビューに参加して下さった皆様に感謝いたします.

文献
 
© 2022 一般社団法人 全国保健師教育機関協議会
feedback
Top