2006 年 19 巻 p. 41-60
ボランティアの理念と現実に存在しているボランティア組織の実体は異なる。ボランティア行為には,新たな人間関係や社会関係を創出していく力があるのか?もしあるとすれば,それはどのようなかたちで創り出されているのか?積極的に新たな関係を創り出そうとしているのは,行政なのか,それとも行為者本人たちなのか?ボランティア組織の構造を明らかにし,それがより上位の組織にたいしてどれだけ独立したものであり,どれだけ自律的な組織かを判断することには意義がある。本研究は現実のボランティア組織の自律性と独立性を,実証的にとらえようとする試みである。