ヘルスプロモーション理学療法研究
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原著
圧痕性浮腫の病態を識別する圧痕深度評価法における カットオフ値
古後 晴基山下 裕村田 伸鳥山 海樹村田 潤東 登志夫
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2020 年 10 巻 2 号 p. 55-60

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抄録

本研究は,圧痕深度評価法の測定値で圧痕性浮腫の病態を識別するカットオフ値を得ることを目的とした。圧痕性浮腫ありと診断され,症状が安定している患者65名(男性39名・女性26名)と,地域の体力測定会に任意で参加した一般健常者35名(男11名,女性24名)を対象とした。被験者に足底を床面に接地した端座位にさせて,第3中足骨骨頭の足背部の圧痕深度を圧痕深度測定機器で左右測定した。統計解析は,圧痕性浮腫の有無を従属変数,圧痕深度値,性別,年齢,身長,体重,Body Mass Index(BMI)を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を行い,Receiver Operating Characteristic Curve(ROC 曲線)からカットオフ値を求め,感度・特異度を算出した。その結果,圧痕性浮腫の有無に影響する因子として圧痕深度値が抽出され,オッズ比は135.0であった。ROC 曲線から圧痕深度値のカットオフ値は2.25,感度は0.83,特異度は1.00の値が算出された。本研究より,圧痕深度評価法は,圧痕性浮腫の有無を識別可能で有用な評価法であり,その病態識別値は2.25mm であることが示唆された。

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© 2020 日本ヘルスプロモーション理学療法学会

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