抄録
本研究は,通所リハビリテーションを利用している要介護女性高齢者30名(平均年齢83.2±6.0歳)を対象に,外出行動の有無と身体機能との関連を検討した。方法は,ベースライン調査として握力,歩行速度,Timedupandgotest(TUG),Functional reach test(FRT),ADL 能力を評価し,その測定値を一年半後の追跡調査時に一人での外出の可否別で比較した。その結果,外出継続群(15名)と非継続群(15名)との間に年齢,握力,歩行能力の3項目には有意差は認められなかったが,ADL 能力と立位バランスに有意差が認められ,外出継続群が非継続群より有意に高かった。これらの知見から,要介護女性高齢者が 一人で近隣への外出を継続するためには,ADL 能力と立位バランス能力の維持が重要であることが示唆された。