抄録
要旨:本研究の目的は,患者にリハビリテーション意欲があると感じる行動を明らかにすることである。調査対象は理学療法士113名,作業療法士61名,言語聴覚士16名の計190名であり,第1次調査では,自由記述式のアンケート調査を行い,患者にリハビリテーション意欲があると感じる行動を明らかにした。第2次調査では,1次調査で得られたリハビリテーション意欲があると感じる行動の重要度を明らかにした。その結果,重要度が高かった項目は,患者の能動性やリハビリテーションに取り組む態度に関する項目であった。一方,下位項目は患者の自暴自棄な発言に関する項目や患者の否定的な言動に関する項目であった。これらの知見から,セラピストは患者の能動性やリハビリテーションに取り組む態度を患者の意欲として重要視している一方で,患者の自暴自棄な発言や患者の否定的な言動はリハビリテーション意欲として評価されにくいことが示唆された。