ヘルスプロモーション理学療法研究
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ハーフカットポールを用いた運動が ビデオ胸腔鏡下手術後患者の胸郭可動性におよぼす影響
山田 耕平横山 茂樹本田 透小野 恭裕青江 基
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2015 年 4 巻 4 号 p. 195-199

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抄録

[目的]本研究は,肺切除術後患者に対してハーフカットポール(以下,HC ポール)を用いたストレッチ運動が胸郭可動性に与える影響を検証することである。[対象]ビデオ胸腔鏡による肺葉切除術および肺部分切除術を受けた25名(男性16名,女性9名,平均年齢73.8歳)であった。[方法]手術後,HC ポールを用いたシルベスター法とツイスター運動を介入手段として行った。術前,術後の介入前後における1)胸郭拡張差(胸郭上部レベル・胸郭中部レベル・胸郭下部レベル),2)呼吸機能および3)深呼吸の自己評価を測定した。[結果]1)胸郭拡張差は,各レベルとも術前に比べ術後は有意に低下した(p<0.05)。術後の介入前後では,胸郭上部レベルに増加傾向がみられた(p<0.05)ものの,中部,下部レベルでは変化なかった。2)呼吸機能は介入前後に変化はみられなかった。3)深呼吸の自己評価ではわずかながら改善傾向がみられた(p<0.05)。[結語]HC ポールを用いたストレッチ運動は術後の胸郭拡張性に変化をもたらす可能性が示唆された。

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© 2015 日本ヘルスプロモーション理学療法学会
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