2017 年 6 巻 4 号 p. 171-176
〔目的〕大腿骨近位部骨折患者の総在院日数に影響を及ぼす要因を地域完結型急性期病院の電子化された地域連携クリティカルパス項目から検討した。〔対象〕大腿骨近位部骨折332名とした。〔方法〕急性期と回復期病院の日数を合計した総在院日数を,中央値を境界として短期群と長期群の2群に分類し,急性期から回復期病院へ転院する際の急性期パス項目から影響要因を後方視的に調査した。〔結果〕ロジスティック回帰分析の結果,年齢,認知症および術式など既知の交絡因子で調整した影響要因は,杖歩行開始日数であった。〔結語〕杖歩行開始日数は,総在院日数の影響要因として臨床的に有用である可能性がある。