北海道心理学研究
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研究論文
聴覚障害学生支援活動としてのテイク経験が作業記憶容量に及ぼす効果
杉澤 榛高久藏 孝幸河原 純一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 43 巻 p. 16-35

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抄録

聴覚障害学生に対し,学生支援者が音声情報を即時に文字化,提供するテイク活動が日本の各大学で実施されている。本研究の目的はテイク活動の経験と作業記憶の容量の関係を測定することである。具体的には,テイク活動の未経験者よりも経験者の作業記憶容量が大きくなると仮説を立て,16 名のテイク経験のある学生と12 名の未経験の学生に対し,作業記憶容量を計測するリーディングスパンテストとリスニングスパンテストを実施,3 要因分散分析を行った。結果は,未経験者のリーディングスパンテストが経験者よりも高得点であったため,仮説を支持しなかった。一方,リスニングスパンテストの結果は仮説を支持した。リーディングスパンテストの得点が仮説を支持しない理由としては(1)テストと支援活動との間の非類似性(2)リスニングスパンテストに比べてリーディングスパンテストが高難易度であるために方略数が増加(3)(1)と(2)による経験者の動機づけの低下が考えられた。リスニングスパンテストについては,テストを用いてテイク活動の技術を予測できる可能性を示した。

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2021 北海道心理学会
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