リスクをもつ外貨建て保険商品は,保険業法で広告類へのリスク表示が定められているが,注意の特性により消費者はリスク表示を見落とす可能性がある。そこで本研究は,2社の外貨建て保険商品のパンフレットを用い,リスクに注意が向けられ,リスクが記憶されるかを若年成人(実験1及び2)と中年成人 (実験3)を対象に検討した。参加者はパンフレットを学習し,重要であると考える項目を4つ回答した。リスク強調見出しの有無を操作し,実験1ではリスク強調見出しは一方のパンフレットにのみ含まれた。両パンフレットの各頁にリスク強調表示は含まれたが,見出しなし条件では見出しあり条件と比較してリスクが重要であると回答される割合が低かった。しかし実験2及び3で,実験1の見出しなし条件で用いたパンフレットにリスク強調見出しを含めたところ,実験1と比較してリスクが重要であると回答される割合が高くなった。このことから,見出しとしてのリスク強調表示が注意を捕捉したと考えられ,リスクに注意を向けることで消費者のリスクのメタ認知と記憶は高まる可能性がある。