日本皮膚科学会雑誌
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原著
関節リウマチの経過中に出現した Acquired Lymphangiectasia の 2 例
太田 馨水野 可魚為政 大幾岡本 祐之幸野 健堀尾 武
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2006 年 116 巻 2 号 p. 209-214

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抄録
症例1:63 歳,女性の右肘関節と症例2:52 歳,男性の右膝関節及び左膝窩部に生じたAcquired Lymphangiectasia(以下 AL と略す)の 2 例を報告した.ともに基礎疾患として関節リウマチを指摘されていた.臨床像では紅色の表面平滑な結節や小丘疹・紅斑を認め,病理組織像では,内腔に赤血球をほとんど認めない脈管の不規則な拡張と周囲のリンパ球浸潤を認めた.症例1 は皮疹の切除,症例2 は浸潤を伴う淡紅色斑と関節鏡視下関節滑膜切所術及び人工関節置換術により結節の再燃は認められていない.合併症,誘因としては手術療法,放射線療法が多いが,関節リウマチ合併例の報告はない.症例報告とともに本疾患と関節リウマチとの関連性について若干の考察を加えた.
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© 2006 日本皮膚科学会
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