2002 年 1 巻 1 号 p. 13-16
Burkholderia caryophylliにより発生するカーネーション萎凋細菌病は,日本でのカーネーション栽培上最も重要で問題となっている病害である.カーネーション品種‘スーパーゴールド’×強抵抗性野生種D. capitatusの種間雑種系統の中から,強度の萎凋細菌病抵抗性を有する系統91B04-2を選抜し,中間母本‘カーネーション農1号’として品種登録した.‘農1号’は定植から約3か月で開花する極早生性を示し,調査期間中の全収量は11.5本/株と対照として供試したカーネーション3品種をいずれも上回る多収性を示した.フローサイトメトリーによる相対的な核DNA量の測定により,‘農1号’は‘スーパーゴールド’とD. capitatusの雑種であることが確認され,二倍体と推定された.本系統は,抵抗性育種素材として,カーネーションおよびダイアンサスの実用品種の育成に利用できる.