園芸学研究
Online ISSN : 1880-3571
Print ISSN : 1347-2658
ISSN-L : 1347-2658
育種・遺伝資源
萎凋細菌病抵抗性中間母本‘カーネーション農1号’の育成とその特性
小野崎 隆池田 広山口 隆姫野 正己天野 正之柴田 道夫
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 1 巻 1 号 p. 13-16

詳細
抄録

Burkholderia caryophylliにより発生するカーネーション萎凋細菌病は,日本でのカーネーション栽培上最も重要で問題となっている病害である.カーネーション品種‘スーパーゴールド’×強抵抗性野生種D. capitatusの種間雑種系統の中から,強度の萎凋細菌病抵抗性を有する系統91B04-2を選抜し,中間母本‘カーネーション農1号’として品種登録した.‘農1号’は定植から約3か月で開花する極早生性を示し,調査期間中の全収量は11.5本/株と対照として供試したカーネーション3品種をいずれも上回る多収性を示した.フローサイトメトリーによる相対的な核DNA量の測定により,‘農1号’は‘スーパーゴールド’とD. capitatusの雑種であることが確認され,二倍体と推定された.本系統は,抵抗性育種素材として,カーネーションおよびダイアンサスの実用品種の育成に利用できる.

著者関連情報
© 2002 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top