2002 年 1 巻 1 号 p. 45-48
肥効調節型肥料を用いる花壇苗栽培において,鉢底から流亡する肥料成分の軽減を目的とした用土組成を検討した.
1.定植7日目から28日目前後まで硝酸態窒素の流亡が観察された.その後の流亡は見られなかった.
2.ゼオライトまたは木炭破砕物を10%混合することでビンカの生育に影響なく,鉢底から流亡する硝酸態窒素量を減らせることが明らかとなったが,20%以上の混合でビンカの生育が抑制された.
3.ゼオライトは陽イオン交換容量が高く,アンモニウムイオンなどカチオンを保持することにより,結果的に硝酸態窒素の流亡を軽減した.一方,木炭ではアンモニウムイオン,硝酸イオンの両方を保持することにより,流亡が抑えられることが明らかとなった.